2006年06月30日

06.6/30のBOOK ON:ゼニで死ぬ奴生きる奴



格差社会、下流生活を予言していたような本です。

実際には、言われるまでもなく、ほとんどの人が、
薄々とは気がついていた事を、あからさまにした本です。

だからどうした、とも、だからどうしよう、とも
出てこないので、暗澹などと言う難しい言葉を思い浮かべます。

能力ある者は伸ばせ、能力なき者は耐えろ、
と言いますが、冷たいわけでは、ありません。

情報に敏感で状況を見極め、虚仮の一念で
自分の能力を高め続けろ、と言います。

それが一番難しいのですが、
ELMの場合は「昨日と同じ仕事はしない」が、
唯一の拠り所、です。

そう、意識するだけでも、人生が変わってきます。
きつい方きつい方にですし、気がつけば金銭的な
見返りはあまり付随してこないのですが、
少なくとも、前よりは面白くなりました。

面白いのが一番です。
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2006年06月29日

06.6/29のBOOK ON:「黒澤明 音と映像」を読み終わって



黒澤明監督作品の音と映像に
関心を持ち、卒論のテーマに
決めた矢先、著者の西村雄一郎氏は、
テアトル新宿の座席で偶然にも
隣り合わせに坐る。

努力する限り、
偶然は必然になる。

こうして、世界にも類を見ない、
音を中心に映画を語る本ができあがった。
27年もの、長き時間を費やして。

黒澤監督にとっては、良き語り部を得て、
西村氏にとっては生涯の目標を得て、
幸福な邂逅と言うべきしか、言葉はない。

ただ、うらやましい。

西村氏は確か「彩の国 ビジュアルプラザ」の
プロデューサーでもあるはず。

映画の技が、受け継がれていくと信じたい。
posted by ELM at 04:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月26日

06.6/26のBOOK ON:黒澤明 音と映像



「影武者」の編集とサウンド(特にラストのトランペット)が
気になって、この本を立ち読み拾い読み。

何と黒澤監督は、作曲家に映画を観せる時、
すでに自分で気に入ったクラシックの曲を
採用しており、その音に合わせた編集まで
していた、というのです。

古典の名曲に挑まされる作曲家の苦悶やいかに。
ELMだったら、ノイローゼになります。


ラストのトランペットは、
オーケストラのトランペッターが、
監督同席の緊張のためか技量のためか、
作曲家の指定した音が出せなかった、
そのための妥協とわかります。


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2006年06月23日

06.6/24のBOOK ON:FOR BEGINNERS 黒澤 明

初心者向けの本ですが、
妙に深く、わかりやすいのです。

端倪すべからぬものが、あると、
思わず、難しい言葉を使ってしまいます。

文・絵は、橋本 勝という人ですが、
読みやすくて、映画を観たような気にさせる
筆力に、一日で読み終わりました。

黒澤 明の脳天気な部分や権威主義的、
マッチョ志向、賤民排除の傾向にも目配りが
行き届いていて、飽きさせません。

賤民排除、とは書いてありません。
それを感じているのは、ELMです。

だから「影武者」を、今日は借りてきました。


何と言ったら、良いのでしょう。
黒澤 明には健康な病人、という
イメージがあります。

清順さんは、病気の健康人。
深作さんは、元気な病人です。

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2006年06月22日

06.6/22のBOOK ON:映画監督 深作欣二

kinji-f.jpg

総ページ数は500を超え、
厚さは5センチを超えるであろう、
この本を読み終わった。

カバンの重たかった事を、
終生、忘れないだろう。

この本の、内容の重さを。

だが、深作の大作を、
ELMは買っていない。

むしろ「資金源強奪」や
「県警対組織暴力」を
買っている。

と言うか、こんな事を書くと、
古い知己から非難囂々を浴びそうだが
「仁義なき戦い」は、よくわからない。


むしろ「太陽を盗んだ男」を、
この本には出てこないが、
映画化しようと動いていたはずだ。

これは、記憶違いか?

ソファに座った狭い背中の記憶は、
錯覚なのか?

「仁義・・・」の思い切り傾く
キャメラワークは納得した。

とてつもなく逆上すると、
三半規管がどうなるのか、
本当に地球が傾く。

これは、経験した者にしか、わからない。

その一点で、深作は、ELMに近かった。
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2006年06月19日

06.6/19のBOOK ON:高間賢治「撮影監督ってなんだ?」

東西の撮影監督の違いがよくわかる。

カメラとフィルムと現像技術の進歩のお陰で、
より自然光での撮影が増えてきているらしい。

よくわからないF値がバンバン出てくるので、
いまひとつ理解は浅いのだが、面白い。

確かに、キャメラマンが照明にタッチできない
今の邦画の現状はおかしい、と思う。

それでも、人工的な照明を排した邦画は、
増えてきているような気がする。
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2006年06月17日

06.6/17のBOOK ON:淀川長治、黒澤明を語る



50年以上の長きに亘る交際の
淀川長治が、黒澤明とその作品を語る。

圧倒される。
ただ単なる映画宣伝おじさん?
おじいさんでは、ないのだ。

黒澤明の人とその作品を語る、その口ぶり、
その内容は凡百の評論家の視点を超えている。

「羅生門」の森の深さ。
「赤ひげ」の江戸の寒さ。
「夢」の夕焼けの赫さ。

同じ映画を観ながら、
なぜ気付かなかったか?

比較するのも傲慢卑賤だが、
ただただ素晴らしい。
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2006年06月15日

06.6/15のBOOK ON:前田幸恒「映画興行師」



東宝系の劇場支配人として、
13の映画館を立て直した男の物語。

映画館を盛り上げるために、
しつこくくり出すアイデアが、良い。

そうとは書いていないが、
映画の日を作ったのは、
この人かも知れない。

屋台の氷屋で、シロップ掛け放題を
はじめたのも、この人かも知れない。

あれは俺だ俺だ、と言わない気骨が、
とても好ましい。

自分のアイデアでなんぼでもできる、
という姿勢が大好きだ。

いつもここに書いてるけど、
仕事を面白くするのは
「着眼と創意工夫」なんだ。

生きた先達が、ここにいる。

館内で、うどん屋もたこ焼き屋もやった、
大評判だった、もちろん自分でも作った、
という姿勢がとても良い。

話がそれるけど、
複数の業務に通じ欺されない事。

それがゼネラリストの定義だ。
単なる事務屋の総称じゃあ、ないんだ。

マルチスペシャリストの上が、
ゼネラリスト。

ブックカバー裏の写真が格好良い。
憧れる。
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2006年06月13日

06.6/13のBOOK ON:定年なし、打つ手なし




思わず暗澹となる、
小林信彦の毛色の変わったエッセイ集。

第T部は老後の準備、年金のお話。

第U部で大藪春彦が太宰治のファンだったと知る。

第V部。昔でさえ、地下鉄サリンのような事件はなかった。
世界中のテロリストもサリンは使わない。

今は、昭和18年から19年の時代に
酷似していると言う。

小林信彦が、そう言うのだから、
そうなのだろう。
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2006年06月11日

06.6/11のBOOK ON:中島貞夫「遊撃の美学」



観ていない映画の映画評の本を
平気で読むのも我ながら不思議だが、
観ていない映画の映画監督の本を読むのも、
我ながら不思議。

多分、そこには物作る者の熱い気持ちが
溢れているので、それが魂を引き寄せる。

中島貞夫監督の映画は、
おそらく「狂った野獣」が特段の印象で、
それ以外は観たような観ていないような、
あやふやさ。

でも、約500頁の本をカバンに入れて、
持ち歩くだけの力がある。

「狂った野獣」は、面白かった。

ちなみに「遊撃」とは、
守備範囲が広い、と言う事。
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2006年06月09日

06.6/9のBOOK ON:安西水丸「シネマ・ストリート2」

観ていない映画が一杯あるのに、
手を出す本とそうでない本がある。

この本は、もちろん前者。

ヘタウマ風のご本人のイラストも
味があって良いのだが、観たい気にさせる、
時には観た気にさえ、なる、文章が良い。

そういう文章になっているのか、
自分自身をふりかえり、
ちょっと反省。


天本英世の着こなしが格好良い、
と言う一項があり、うんうん、と肯く。
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2006年06月08日

06.6/8のBOOK ON:広瀬隆「予言された21世紀」

一応、映画の本なのだけれど、
深すぎて手に負えない。

ロックフェラー、バチカン等が
背後でうごめく陰謀史観で描かれる映画史に
くらくらする。

脳天気過ぎるのだろうか?
幸せな気分で読み終われない。
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2006年06月07日

06.6/7のBOOK ON:今村昌平「映画は狂気の旅である」




死んでから読みはじめたのか、
読みはじめてから死んだのか?
すでに思い出せない。

幽冥界を異にした以上、
今はもう関係ない。

もっと骨太、肉厚な人を想像していたが、
そうではない。

優美、華麗、華奢とは言わないが、
繊細さを感じる。

長谷川ゴジを評し、
酒は強いが体力はなかった、
と言うのが案外で面白い。

日活末期「シナリオ」誌に
「調布が火事だよ」と書いた
ゴジを思い出す。

長男、天願大介によるあとがきが面白い。
距離の取り方が絶妙。

しかし、天願、と言うペンネーム?
シネマネーム? が凄い。

映画に限らず、創造する者にとって、
人生は狂気の旅、なのだ、と思う。

黙祷。
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2006年06月05日

06.6/5のBOOK ON:金城一紀「GO」



通勤の往復1回で読み終わった。

会津へ持って行かなくて良かった、
と思いましたね。

新幹線の中で暇狂い、するところでした。

事前に「ガリバー・パニック」と二冊求め、
どっちを持っていくか、迷っていたのでした。

そんでもって「フライトプラン」のDVDと
B5ノートPCを持参したのですから、
我ながら万全でした。

映画の「GO」も良かったけど、
原作も良い。

実は読むの2回目だったのね。
うっかり、忘れていたけど。


2回目でも面白い。

暗くならずに深い話が広がる。

窪塚洋介の映画も良かった。
これも2回観ている。
もっとかな。

ミトコンドリアDNAの話は、
何回読んでも興奮する。

アフリカから10万年近い年月と
1万数千キロの旅の果ての子孫が、
ELMでもあるのだ。

その間、人類は発汗という特質さえ獲得した。
(これは、この小説には書いてない)

青春恋愛小説なのに、
この本は、大きくて深いんだ。
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2006年06月04日

06.6/4のBOOK ON:市川雷蔵とその時代

s-raizo-jidai.jpg

時に思い出して、
また観てみたくなる映画、
役者は少ない。

少ない中のひとり、市川雷蔵。

勝 新太郎が言う。

狂四郎を演じる時だけ、
雷蔵は鼻の下を長くして演じた。
あれは、死相を出すというか、
死ぬ時の顔だね。

池広一夫は言う。

死んで何十年も経つのに、
未だに雷蔵で撮りたかった
と言う監督が、いる。
そんな役者は他にいない、と。


この角度。この目線。
スチール写真だから、
映画の場面にはないかも知れないが、
目千両のわかっているカメラマンの仕事、
だと思う。

raizou.jpg


こんなにも想いが募るのは、
命日が近いからか。
posted by ELM at 17:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月01日

06.6/1のBOOK ON:雷蔵好み




本として、それほどの深みがあるとは
思えないのだが、市川雷蔵を思い起こす
縁(よすが)には、なる。

「雷蔵、雷蔵を語る」を思い出す。

あの端正な、趣の深い、陰影の濃い
文章を思い出す

ゴーストライターには書けない文章が、ある。
雷蔵にしか演じられない、役が、ある。

37歳で溶暗。

「ひとり狼」「眠狂四郎」」「陸軍中野学校」
「忍びの者」「ある殺し屋」「炎上」

どれも雷蔵であって、雷蔵ではない。
何を演じても、そのものになりきっていた。



中一の時「眠妖四郎」という
ペンネームを使っていた事を思い出した。

今、ああいう役者は、いない。
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2006年05月31日

06.5/31のBOOK ON:映画 快楽装置の仕掛け

好きな映画評論家、山根貞男の本。

映画は常に共時性な存在。

同時性とは書いてあるが、共時性とは書いてない。

映画は音楽と同じく時間を共有しないと成立しない、
とは書いてある。

出逢うべき時に出逢うと言う意味において、
ELMは映画も共時性(シンクロニィシティ)な存在と思う。

閑話休題(それは、さておき)はともかく、
冒頭から閑話休題とは掟破りですが。

映画はアクションとエモーションの産物で
ある事を証明しようとした佳作。

つまり、映画はアクションとエモーション
(ふたつ合わせて情動とELMは思う)の落とし子、時々迷子。

清順監督の「野獣の青春」を評し
「ストーリーの流れはいわば脱臼と骨折の連続で」
という秀逸な比喩が嬉しい。

貶して、いるのではない。

情緒を排した活劇もまた、
観客の情動を喚起するのだ。

18年前の本だが、
18年間の映画遍歴があるからこそ、
この本を楽しめる。

はて、ELMは今、いくつだったか?


道で、何度もすれ違った事があるような、
気がしてきた。(物理的に)
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2006年05月30日

06.5/30のBOOK ON:ガリバー・パニック



ある日突然、千葉の九十九里浜に
身長100メートルの巨人が出現する。

科学的な説明はできない。
出ちゃったものは仕方ない。

どうする?

最初は抹殺を考えるが、
どう見ても人間、日本人。

思わぬ効能?を発見し、
欲得の政界、財界が動き出す。

大型サスペンス小説が得手の楡周平が、
大型アイロニカルコメディを作った。

そんな事は、まあ、ともかく、
誰か映画にしないかな、この小説。

怪獣映画立国、日本でしか作れない映画だ。

指紋、掌紋の描写。
麦畑のような生地のうねり。

それだけでも映画で観たい。
ある意味、マクロの決死圏。

女医さんとのからみも膨らませる事ができる。
自衛官郷田との友情も美しい。

親交を深めた土木作業員たちを救出する
豪雨雷雨のクライマックスも絵になる。


身長100メートルの巨人による
脱糞シーンは、好きにしろ!

ジュラシック・キング・コングより
面白くなるぞ。

ああ、シナリオを書いてみたい。
そんな場合じゃ、ないのだが。
posted by ELM at 20:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

06.5/30のBOOK ON:アメリカ暮らし 住んでみてわかる常識集



別にアメリカに移住したくて
読んだわけではないが、
そういう人にはお薦め。

引っ越しの事。健康保険の事。
敬語の事。仕事の事。

貧富の差の事とか、契約社会の事とか、
映画などでは伝わりきらない事が満載。
posted by ELM at 05:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

06.5/24のBOOK ON:石田衣良「約束」

yakusoku.jpg

池田小事件に触発されて書かれた
「約束」を含む七つの短編。

「青いエグジット」

事故で片足を失い、引きこもりになった少年は、
スキューバダイビングのポスターを見つけ。

「天国のベル」
突然難聴になり、電話のベルだけが聞こえる。
浮気の最中に事故死した父親からの電話を取ると。

「冬のライダー」
小学生にも負けるよなションベンライダーが、
訳ありの女性からコーチを受け。

「夕陽に続く道」
引きこもりの少年が、新品回収の老人に逢い。

「ひとり桜」
自分の写真に癒された人に逢い、
中年のカメラマンは。

「ハートストーン」
子供と父親と二人の急病に戸惑う主人公は。


「約束」の粗筋は、書かない。

石田衣良は、軽やかに鮮やかに
人生の断面を切り取るが、
したたる血のひとしずくに、
人の生の本態を映し出す。


どれも良いが、
ホラーテイストの
「天国のベル」が妙に泣かせる。

「ひとり桜」も再生の趣が、
しみじみ味わい深い。
posted by ELM at 05:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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