2007年08月18日

07.08.18のMOVIE TRAP:さくらん

絢爛という言葉は、
この映画のために、ある。

色彩の鮮やかさ、艶やかさ、
深浅の対比、調和、破調、融和。

アングルの安定、傾斜、
不和、収束、破綻、安寧。


桜にはじまり、桜に終わる。
さくらんは、咲くらんと錯乱の
二重意味か?

嗚呼、これほどに綺麗な映画を、
いままで観た事があっただろうか?
すぐには思い出せない。


映像だけではなく、
菅野美穂、木村佳乃の女衆も良いが、
安藤政信、成宮寛貴の男衆も良い。

安藤の花魁道中の時の一瞬も瞬きをせぬ凛々しさ。
成宮の雨の中で魅せる「鬼の笑い」の凄艶さ。

以前より、清々しいのに雫のように
卑しさのこぼれ落ちる成宮の笑顔を、
これほどまでに生かした映画が、
かってあっただろうか?

この映画は、怖い。

そして、色彩溢れるこの映画の中で、
唯一墨絵のようなこの場面で魅せる
土屋アンナの愛おしさ、矜恃、慟哭は、
抱きしめたいのに躊躇わせるほどの
孤絶を引き受ける覚悟を感じる。


演出や演技指導、編集が上手く行っているとは
思えない部分もあるが、土屋アンナの起用を疑問視する声が
あるかも知れないが、土屋アンナだからこそ、
この映画は「さくらん」を描いて、魅せた。

あの氾濫する色彩をねじ伏せる力量のある女は、
土屋アンナしか、いない。

監督の蜷川実花は、そう直観したのだと思う。

「下妻物語」のイチゴと同じ演技だと思ったら、
大間違いだ。


椎名林檎の音楽が、妙に、良い。
江戸時代にもロックな生き方をした奴は、
いるのだ、と信じさせる。
posted by ELM at 21:06 | ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | site1:MOVIE TRAP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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