2007年05月28日

07.05.28のBOOK ON:「下妻」越えなるか「変身」

hen-sin.jpg

ようやく、嶽本野ばらの「変身」です。

ある朝、売れない少女漫画家星沢皇児は、
自分が変身している事に気づきます。

整形医がさじを投げるようなご面相から、
超イケメンに、です。

理由も説明も、ありません。
それが野ばらです。

受け入れるしかないのです。
それが野ばらのファンです。

星沢が竹宮恵子や川久保玲にインスパイアされるように、
豊島園のエルドラド(メリー・ゴー・ラウンド)に
執着するように、一度はまってしまったら、
読者は野ばらワールドに存在するか存在しないかしか
ないのです。

星沢皇児は、どんでもない勘違い、
こだわり男です。

イケメンになっても、
実はもてません。

その辺の事情は原作を読んで
爆笑していただくとして、
ブラック風味で確信犯的に笑わせるように
描く野ばらは、もしかしてとんでもない作家です。

(だって、ものすごい自己省察?ですよ)

担当に付く敏腕編集者、河原木マドレーヌとの
やりとりでもその辺はわかりますが、
売れない時代のファン、ゲロ子(!?)に
戻っていくラストは、少ししみじみします。

「下妻」のヒステリックすれすれの
笑いに比べれば「変身」の笑いは
実は抑制が利いています。

「下妻」越えなんて考えてはいけないのですね。
「変身」は野ばらの成長の通過点です。

新作が出る度に、変奏しながら
螺旋状に高みをめざしています。

posted by ELM at 09:51 | ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | site2:BOOK ON | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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